アロマのこと

アロマのことを書いてみようと思います。

ここでは、私が出会ってきたアロマの本の中で、ヴァレリー・アン・ワーウッドという人の本について書いてみたいと思います。


初めて精油を知ったのは20年ほど前。

その頃、私たちの隣にはアメリカンのメリッサが住んでいて、彼女の部屋からはいい香りがして、テーブルの上には精油箱があって、それで見せてもらったのが最初です。

そのときに3本の精油をもらって、彼女が持っていたアロマの本を私も取り寄せて、精油について、アロマについて、少しずつ親しみはじめました。

ヴァレリー・アン・ワーウッド女史の「フラグラント・ファーマシー」が、私が手にした最初のアロマの本です。

この方はたしか、IFAの理事として来日されています。


この本にはいろいろなシナジーブレンドが載っていて、喉の痛みやお腹の不調、あるいは打撲と、何かのときには、この本を見てブレンドをして活用してきました。

身体の不調、スポーツ時のケア、女性特有のケアや、同じく男性特有のケア、子供や、年配に向けてのケアなど、親切な項目別で、たくさんのブレンドが紹介されています。

よく活用してきたので、すっかり油染みができて、ページもバラバラになってしまいました。


そして、彼女の本で、次に読んだのは「フラグラント・マインド」。

こちらはフラグランスジャーナルから翻訳が出ています。

この本の中には「アロマジェネラ」なるものが紹介されていて、精油を9つの系統に分類していて、それぞれの特性、心理面での作用を照らし合わせていて、とても面白いです。

人それぞれ、様々な専門書や著者との相性みたいなものがあると思うのですが、この人の本が、なぜかとても好きです。

そう、「フラグラント・マインド」の献辞にはこうあります。


「私にオマルハイヤームを読んでくれて、妖精や虎の話をしてくれ、夢と空想の贈り物をくれた父に、この本を捧ぐ」


オマルハイヤームにフェアリーテール・・・彼女の本に惹かれるのも無理ありません。彼女の本が最初のアロマの本でよかった。メリッサに感謝です!


そして、その後で手にしたのはフラグラント・ヘブン。

これは、とてもとても面白く、大好きなアロマの本です。


私がアロマに出会ったころ、今のようにたくさんのスクールもなく、書籍もあまり出ていませんでした。

日本では、もっと雰囲気やエステ感覚で語られることの方が多く、精油の成分や身体への作用を知っている人は、本当に少なかったと思います。

今ではたくさんのスクールができて、成分のことも学ぶことができて、最近では認知症への効能などがテレビや新聞などでも伝えられるようになってきて、良い環境になってきたなぁと思います。


でも、アロマテラピーの奥は深く、少し勉強しただけでは、分からなくなることの方が多くて、戸惑うことも多いというのが本当なのではないでしょうか。

化学者でもなく、医師や薬剤師でもない私の知識はとても限られていて、とても成分すべてを理解して、精油を全て理解しているなんて言えません。程遠い!


しかしながら、それでも精油は素晴らしいものです。ですから、どのように精油を扱い、どのようにアロマに向き合うかを、自分なりに見極めないといけないと思います。

堅苦しい話ではなくて、どのようなスタンスが、一番自分が心地いいか、ということになるかと思うのです。

私の場合は、フラグラントヘブンにあるような向き合い方が、とてもしっくりするのです。


本書の序章は、ウィリアム・ブレイクの「無心のまえぶれ」から始まります。


一粒の砂に世界を

一輪の野の花に天国を見

あなたの掌に無限を

一時に永遠を捕える



「フラグラント・ファーマシー」は、精油の身体への作用を、「フラグラント・マインド」は、精油の心への作用を、「フラグラント・ヘブン」では、精油の魂への作用を扱っています。

どのように様々な民族が古来より芳香植物を用いてきたのかにふれ、また彼女は、自分の経験も含めて、どのように植物に、自然に向き合うのかをも記しています。

例えば本の中には、このような挿話があります。


ある男が、ブリッスルコーン・パインの樹齢を調べるために、何日もかけて森の奥深くに入ります。

古木は硬くて、サンプルを採るためのドリルが役に立ちません。

他の道具を取りに戻る手間と、研究の重要性を考えた末、男は持って来ていた鋸で樹を切ってしまいます。

その樹の樹齢は4000年でした。


本にはこうあります。

「人は自然との異なる関係性を持っています。ある人は、この話の男のように自然に値する敬意を払うことなく、人のエゴの犠牲としてしまいます。また他の人は、植物には知性や魂、伝達する能力があるといい、祖母を切ることなどないように、樹を切り倒したりはしません。ある人は森が歌うのを聴き、またある人は聴きません。」


著者はこう言います。

「植物は地球の肺であり、梯子です。それらは天の光と地球の闇の導管です。空からのエネルギーを母なる地球のクリスタルラインの構造に、惑星を通って反射させます。

……私たちのほとんどは、コンクリートに囲まれて暮らしています。私たちはこのバランスをどうにか、植物のエッセンスを持ち込むことで、家庭に精油を持ち込むことで助けることができます。

しかし、それを十分に理解するには、その領域に、その源に、植物の自然な生息に、私たち自身の理解を深める必要があるのです。」


他にも本にはたくさんの興味深い話が出てきます。

例えば、ステファン・ハロッド・バフナーは、ウスネアの傍でうたた寝しているときに、そのウスネアが夢の中で美しい若者となって現れ、自分の役割は地球の肺システムを健康にすることだと、それゆえ、個人の人間の肺の炎症を治療することもできると、バフナーに告げます。

夢から覚めたバフナーは、研究の結果、ウスネアが肺に有効な抗炎症作用を持つことを発見します。


さらに、本には精油が持つエーテル体のエネルギーが紹介されてもいます。

エネルギーフィールドを測定して、それを表すイメージシステムを発明したハリー・オールドフィールドによる実験結果です。


書いていくときりがありませんが、このフラグラントヘブンのトーンは、私が精油に向かい合っているときのトーンと、とても重なるのです。


精油には命があります。それはエネルギーで、様々な要素を受けて変化します。

同じボトルから、同じ滴数の精油をブレンドしても、ブレンドする人が違えば、あるいは同じ人でも、ブレンドするタイミングが異なれば、出来上がるブレンドオイルは、まったく一緒ではないのです。


成分の持つ薬理性とともに、それが有機体であることを忘れないようにしないといけないと思います。